B・ゲンスラー『とてつもない宇宙』

とてつもない宇宙 ---宇宙で最も大きい・熱い・重い天体とは何か?

とてつもない宇宙 ---宇宙で最も大きい・熱い・重い天体とは何か?


それほど厚くはない本なんだけど、読むのにずいぶん時間がかかってしまった。
なんだか、読み難い本だった。
天体を始めとする宇宙に浮かぶ様々な物質の、温度や重さや速度の極限値を解説しようとしているのだが、出てくる数値が100万度とか10億トンとか1兆キロだとかいうまさに天文学的な数値なので、どんな世界なのかまったく想像の範疇を超えているし、地上の人間の尺度を用いることに意味を感じられない。
あまり意味のない数字の羅列が多かった気がした。
とはいえ、訳者が後書きで書いていたことだけど、科学とは表出した事象に目を向けるだけではなく、なぜそれが起こるのかを解明していくプロセスにこそ意義があるものだ。
そう考えると、数値の大小に感心するよりも、そういう数値に達するまでに何が起こっているかを知ることに重きを置くべきだから、飲み込み難い表現も多かったが、それなりにきちんとした解説が施されていたとは思う。