京極夏彦『死ねばいいのに』

文庫版 死ねばいいのに (講談社文庫)

文庫版 死ねばいいのに (講談社文庫)


京極堂シリーズ(講談社文庫では「百鬼夜行シリーズ」と銘打っていたけど)での憑き物落としの手法を用い、現代の殺人事件を舞台とした物語に仕上げた秀作。ある殺人事件の被害者周辺の人々が持つ心の昏がりを、どこからか現れた一人の若い男が弁舌巧みに炙り出し、人々を籠絡してゆく。