『つながり 社会的ネットワークの驚くべき力』
- 作者: ニコラス・A・クリスタキス,ジェイムズ・H・ファウラー,鬼澤忍
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2010/07/22
- メディア: 単行本
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人間同士の「つながり」、いわゆる社会的ネットワークがどういう特質を持ちどういうプロセスを経て構築され、それを構成する人間個人にどのような影響を及ぼしているか、時間の経過や参加者の入替、増減などによりネットワーク自体がどのように変容していくかを研究し考察した本。
- 平均6人隔てれば世界中全ての人とつながっている(いわゆるシックス・ディグリーズ)
- 人の行動は他人に影響を及ぼすが、及ぼす範囲は3人先まで
- 人が行動を決めるとき、他人の行動に影響を受けることが多い
- 他人への影響は直接つながりのある相手だけでなく、そのさらに先の人に及ぶ可能性がある
- つながりの多い人ほど経済的、社会的な利益を得ることが多い
などなど、ネットワーク構築のメカニズムから、ネットワークの存在によって何が起こるか、といった事象面まで、様々な実験結果を交えながら説明する。
フェイスブックをはじめとするSNSからオンラインゲームまで、現代のテクノロジーが産み出したネットワークの新しい潮流もひとつの形態として解説されている。
人間がネットワークを作り、操り、操られるメカニズムは、ツールの形が変わりこそすれ太古の昔から連綿と受け継がれて来た遺伝的現象であることに気づかされる。
結局のところ、個人の力には限界があって、人は人とつながってこそ大きな力を得ることができるものということらしい。
だから、ネットワークの中心に近い位置にいる、たくさんのつながりを持った人は得だ、ということのようだ。
複雑に絡み合ったネットワークを読み解き新しい価値を見出していくことが、次なるSNSといったムーブメントを生み出すヒントになりそう。とてつもなく難易度は高いけど。