きのう何食べた?

きのう何食べた?(1) (モーニングKC)

きのう何食べた?(1) (モーニングKC)


同棲中のゲイカップルの日常生活を描いた作品。
主人公はゲイの弁護士。毎日きっかり定時に仕事を上がって帰宅、安くて美味しくてバランスのよい食事をいかに効率よく仕上げるかということに無上の喜びを感じている。
毎回、話の半分ぐらいは料理の製作過程なのだが、いたずらに手が込んでいたり高価で珍しい食材を使ったりするのではなく、時にはインスタント材料も使いながら、毎日の食事を手間ヒマを掛けすぎずに美味しく作ろうというスタンスで描かれているのが特徴。
主人公とその恋人ゲイのキャラクター設定も面白い。
主人公は、外見も物腰も思考回路もほぼノーマルの男性に近く、カミングアウトもしていない。その恋人はいかにもオカマっぽい物腰で、発想も女性っぽく、ゲイであることは周知済み。一口にゲイといっても対照的な中身をもつ二人のやり取りが、男女の妙というか男男の妙を、あまり深刻ではなく軽いタッチでうまく表現している。
ともかくも料理へのモチベーションが上がる一冊。